パステルについて

2020年9月12日by inoue

■パステルの特徴 パステルは顔料をメディウムで棒状に練り固めたもので、顔料そのままの美しい色彩が特徴です。基本的にはキャンバスではなく有色の厚手の紙に描きます。 塗り重ねて画面の中で混色したり指などでぼかしたりすることで...

■パステルの特徴

パステルは顔料をメディウムで棒状に練り固めたもので、顔料そのままの美しい色彩が特徴です。基本的にはキャンバスではなく有色の厚手の紙に描きます。

塗り重ねて画面の中で混色したり指などでぼかしたりすることで、幅広いグラデーションも表現することができます。また、パレットなどを用いず紙に直接描く関係上、色数が非常に豊富で、どのメーカーも数百色のパステルを取り扱っています。

見た目はクレヨンと似ていますが、クレヨンのようにワックスやオイルの成分を含まないため、顔料本来の鮮やかな色合いで表現できます。筆やパレットを使わず、イメージを手早く紙に描ける画材として近年人気があります。

私はシュミンケというメーカーのソフトパステルを主に使用し、描く部分によってはレンブラントのソフトパステルとダーウェントのパステルペンシルを併用して使っています。

 

※顔料と染料
顔料(がんりょう)とは、着色に用いる粉末で水や油に不溶のものの総称です。着色に用いる粉末で水や油に溶けるものは染料(せんりょう)と呼ばれます。

 

■パステルの種類

パステルは大きく分けて「ソフトパステル」「ハードパステル」「オイルパステル」に分類されます。

 

 

ハードパステル

ハードパステルは、顔料を少し多めの粘着剤で固めた、硬めのパステルです。

角のある四角柱の形をしたものが多く、角を使って線を描いたり、面を使って広くぬったりできるのが特徴です。

 

 

 

 

ソフトパステル

ソフトパステルは、顔料を最小限の粘着剤で固めた、柔らかめのパステルです。

角のない円柱形のものが多く、色の乗りや伸びが良く、発色がキレイなのが特徴です。

 

オイルパステル

顔料をワックスと油分で固めた、パステルに定着力を加えた画材です。どちらかというとパステルよりもクレヨンに近いものです。

 

その他のパステル

 

 

パンパステル

ファンデーションのようなケースに入っており、色の伸びがとてもよく、ハードパステルやソフトパステルでは出せないはっきりした色を表現することができます。

 

 

パステルペンシル(パステル色鉛筆)

パステルペンシルは、顔料を多く含んだ柔らかい色鉛筆のような画材です。パステルと色鉛筆の中間のような画材で、パステルのような描き味で細い部分を描くのに使います。

 

 

 

紙について

パステル紙

 

パステルは描く際に紙の凹凸が必要なため、描きやすい表面処理を施した専用のパステル用紙があります。この用紙は明るい色を乗せやすくするため有色にしてあり、豊富な色数の中から描くモチーフに合わせて色を選ぶことができます。